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「それで話って何?」
彼女を人気のない階段へと連れてきた。
屋上へ繋がっている一番上の段に腰を下ろすと、彼女も隣に座った。
「何から話せばいいか迷っています」
「もしかして俺に惚れちゃった、とか?」
おどけてみるが、隣から反応はない。
彼女の顔を見ると、眉間にしわを寄せて難しそうな顔をしている。
「そういうのとは違います」
「あ、そう」
ちょっと、いや、結構がっかりしたかも。
「ですが……」
彼女がこちらを見た。
「私は、土岐亘に会いに来ました」
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