出会いは突然

8/15
前へ
/132ページ
次へ
「それで話って何?」  彼女を人気のない階段へと連れてきた。  屋上へ繋がっている一番上の段に腰を下ろすと、彼女も隣に座った。 「何から話せばいいか迷っています」 「もしかして俺に惚れちゃった、とか?」  おどけてみるが、隣から反応はない。  彼女の顔を見ると、眉間にしわを寄せて難しそうな顔をしている。 「そういうのとは違います」 「あ、そう」  ちょっと、いや、結構がっかりしたかも。 「ですが……」  彼女がこちらを見た。 「私は、土岐亘に会いに来ました」
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加