未来は必然

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「制限が切れたらすぐ帰りたいと思っています。……つまり、今日です」  メイナが淡々と答える。 「何でそんな急に」 「私の中では急ではありません。決めていたんです。三十日経ったら帰ろうって」  メイナが苦しそうに笑った。 「事件は解決したことですし、私はもう用なしです。それに、あちらに家族や友達を置いて来てしまいました」 「用なしなんかじゃないよ! でも、家族とか友達と会えないのはつらいよね」  奏音が、寂しさをこらえきれないような声で言った。 「あっちの世界でも、こっちと同じだけ時間は流れてるのか?」  留が興味津々という様子で聞く。 「まあそうですね。私がこちらに来た日に戻ることも出来なくはないですが、そうすると別の時間軸に移動してしまうので、私が永遠に行方不明になった世界がパラレルワールドで生まれることになってしまいます」 「……よく分からないけど、大変そうだ」 「分からなくて構いません」  留が難しい顔で考えていると、メイナが言った。 「分からなくていいので、じっくり考えてください。なぜ時間は流れるのか。どうして能力というものがこの世にあるのか。多分、留さんならできるはずです」
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