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「無事だったのね!」
「今までどこに行ってた? 心配しただろう」
メイナが一か月ぶりの我が家の扉を開けると、両親が心配そうに駆け寄ってきた。
母親が彼女をぎゅうっと抱きしめる。
「あのね、私見つけた。自分の生きる意味。そして、『能力』という概念を、過去の人に教えたのは私なのよ。それに私が世界を救ったの」
父親は唖然として開いた口がふさがらず、母親は「そんなわけないじゃない」と心配していた。
だが、いいのだ。自分さえ分かっていれば。
自分と彼らさえ、そう思っていたら、いいのだ。
「大丈夫。私、生きるから」
なんだか分からないという顔をしている二人を目の前にして、言い切った。
過去に行く前につかえていたものが、全てどこかに消えてしまったような気がしていた。
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