エピローグ

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「お腹すいた。何か食べ物ない?」  メイナは靴を脱ぎ、家に上がる。自宅の端末に思考を繋いだとき、あるニュースが飛び込んできた。 「大学教授の土岐留さん(四七歳)が、時の実験に成功。未来と過去を自由に行き来する時代も、もうじき到来か」  私が過去に行ったことで未来が変わっている? それも私の影響? それとも。  メイナがそこまで考えたとき、後ろから父親の声が聞こえた。 「メイナ、お客さんだぞ。誰だかよく分からんが、俺よりも年上の人たちだ」  恐る恐る玄関に戻ると、どこかで見覚えのあるような顔が五つ並んでいた。 「メイナ! 来てやったぞ。俺たちのこと覚えてるか?」  真ん中に立っている老人が口火を切った。  それでも分からず首を傾げていると、その隣の、美人の面影を残した年配の女性が、真ん中の老人の肩を叩いた。  老人はそのままよろめいた。
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