34人が本棚に入れています
本棚に追加
「つまり、メイナに置き換えるとどういうこと?」
「私はタイムスリップの能力を持っています。好きな時代に飛べる能力です。高校で『ある事件』について学び、とても興味を持ちました。それは、土岐亘がいる今の時代に起こったことです。私は土岐亘に会う必要があると思いました。そして、この学校に来ました」
「どうして俺なの?」
俺はつばを飲み込んだ。
「もしかして、その事件に俺が関わっているとか?」
「それはどうでしょう。それに、知っていたとしても話していいものか分かりません」
「あー。もうめんどくさいからいいや」
「そうですか」
「つまり、あれだ。メイナは『定め』とやらによってこの学校に来て、俺に会うことになっていた」
「はい」
「よく分からないな」
「そうですよね」
彼女が下を向いた。と思ったら、何かを決意するかのように小さくうなずいた。
「土岐亘。お願いがあります」
俺を仕留めるように大きく目を開いた。
「土岐亘を観察させてください」
最初のコメントを投稿しよう!