出会いは突然

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「……観察?」 「はい」 「えーと。勝手にすればいいんじゃないかな」 「ありがとうございます」  メイナが口角を少しだけ上げた。  もしかして笑った、のか? 「なんですか」  俺が面食らっていると、唇を突き出して不服の表情。  声の調子が平坦だから気付かなかったけど、意外と表情豊かな人なのかもしれない。 「まあいいです。じゃあ、帰りましょう」 「そうだな」 「そういえば部活はいいのですか?」 「あー、俺、部活入ってないんだ」 「分かりました。じゃあ一緒に帰りましょう」    そう言われて、俺は結構動揺したのだけれど、そんな俺がおかしいとでも言うように、メイナは首を斜めにしている。
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