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一応言葉は濁したのに、教室内はざわつく。
「案外ってひどいじゃんか」
「一目惚れとかまじかよ」
「うける」
みんなが笑っている中、一人だけ無表情の人がいた。
転校生だ。まっすぐに俺をにらんでくる。
おお、こわっ。
これって、転校生が顔を赤らめて俯いちゃって、恋愛フラグ立つところじゃないの?
「はいはい、みんな静かに。とりあえず天翔さんには水田の隣に座ってもらうから。水田よろしくな」
「は、はいっ」
水田、完全に声が裏返っている。
まあしょうがないか。転校生、性格はアレっぽいけど綺麗な顔してるし。
教室の一番後ろ、廊下側の席に向っていく彼女と、鼻の下を伸ばした水田を交互に見る。
きっとラノベだったら水田が主人公なんだろうな、とか考えていたら朝のホームルームが終わった。
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