紫のカボチャ

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 今日は一年に一度の大事な行事、ハロウィンだ。学校中でお菓子交換している。女子も男子も関係なくお菓子を心待ちにしている様子は、見ていてほほえましい。  そんな私も、お菓子を持って友人を探す。そして友人に、自分で作ったお菓子を渡していく。今年のお菓子は、カボチャを使ったクッキー。やっと買ってもらったオーブンで焼いたものだ。自画自賛だが、とても上手く焼けたと思う。  彼女たちはありがとうと言って私のお菓子を受け取る。後で食べてねと言い残し、私はその場を離れる。ちなみにクッキーは一口サイズで、とても食べやすい。  不意に、つい先ほどまで話していた少女が、リノリウムの床に崩れ落ちる。  彼女の足下には、お菓子が入っていた紫の袋が落ちている。 「大丈夫!?」  そんな声が背後で聞こえる。その声を聞いて私はにやりと口元を歪める。  大丈夫なわけがない。あのお菓子には、毒が入っているのだから。  だからクッキーの包装は、紫色にしたのに。  紫色は、毒の色。  毒入りカボチャにご用心。
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