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しかしそれもいっときの事で、やがて世界中からはアジアの小さな島国を見習え、これこそ人間たる行動にふさわしいと賞賛された。
僕自身、日本人として、とても誇らしい事だった。この民族として生まれてきて良かったとさえ思った。
しかしながら、この大和民族から代々伝わる血や遺伝子が、僕を悩ませる理由となっているのもまた事実だった。
公のために個を犠牲にする事もはばからない性質は、大和民族特有のものだ。
僕には『権利』があった。
恐らく世界中でただ一人だろう。
そうだ。何を隠そう、僕にはこの人類を、この世界を救える『権利』があった──
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