【初夜】

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「恥ずかしがらずに、力を抜いて。そう言われたのだろう?」 「ええ。……でも」  トヨホギは下唇を噛み、顔をそむけた。体のすみずみまで緊張にこわばっている。 「羞恥など忘れるほどに、愛するとしよう」  ホスセリは帯を解き、上衣を脱ぎ捨ててトヨホギに身をかぶせた。素肌のぬくもりに、トヨホギは「ほう」っと息を漏らす。それを唇で拾ったホスセリは、薄く開いたトヨホギの口腔に、舌を差し入れた。 「んっ、ん……」  なるべく力を抜いていようとするが、トヨホギの体は意識とは裏腹に、ぬらりとした舌の感触に身構えてしまう。それをあやすように、ホスセリは舌を動かした。 「ふ、ん、ぅう、う」  唇の裏を舐められ、歯茎をくすぐられる。丁寧な動きに、トヨホギは徐々にこわばりを解いていった。それと速度を合わせて、ホスセリは舌を伸ばし、トヨホギの舌裏を舐めた。 「んっ、ふ」  くすぐったくて、思わず顔を動かしたトヨホギは、はずれてしまった唇に気づき、ハッと目を開けた。 「ご、ごめんなさい」 「気にすることではない。感じたままの反応を、示してくれればいい」 「……ええ」     
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