第1章 なんやかんやの高校生活

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異界人の侵略より前の事。 俺には10歳も離れた兄がいた。 俺は剣道をしていて、当時強豪だった都内の学校に行きたった。 学校の近くにすでに自立している、兄の家があるからそこで兄が親の代わりに俺の面倒を見ると言う約束で親は折れてその学校に行かせてもらえる事になった。 親からの仕送りと兄の収入で生活をしていて、帰りの遅い兄の為に中学生ながらも家事全般はこなしながら学業と部活動共に専念し兄弟支え合いながら日々過ごしていた。 そんな当たり前でごくごく普通の生活を異世界人の侵略によって壊されてしまった。 俺達の兄弟が住む地区の被害はそんなに酷くはならなかったが、実家の辺りの住人は全員奴らに1人残らず皆、殺された。 勿論、殺された被害者の中には俺達の両親もふくまれていた。 俺はあの事を今でも忘れた事、一度だってはない。 なのになぜ今、その両親の仇であるその敵の大将の学校に通い、なぜ親の仇が俺の家に居候しているのか。 そしてなぜ、今この瞬間クロエなんとかは2人分の朝食をたいらげ満足げな顔をしているのか... 「ってめぇ!なに自分の分だけじゃ飽き足らず、俺の分までたいらげてんだこの腐れアマぁ!!!!!!」 「だって!冷めちゃうじゃん!美味しくなくなるじゃん!すぐ食べないと冷めて美味しくなくなるじゃん!!」 「理由になってねぇ!このアホクイーンがぁぁぁあ!!!!」 毎朝の事だが、目を離すと俺の分まで食べてしまうこのアホ女を早く追い出したい。。。 なぜ、居候しているのかはわからないが俺がなぜこいつ(クロエ)の作った学校に通っているかは簡単だ。 お金がなかったからだ。 侵略の最中、銀行は潰され、今まで貯蓄していた兄の貯金もチリとなってしまったのだ。 どうしても高校に行って欲しい。と兄の頼みに俺は仕方なく答えるべく出来るだけ頭のいい学校に入る為に猛勉強した。 たが、お金という概念が全くない、よその国のお嬢様は『入学金?なにそれ?美味しいの?』と一言。 『学校で使う物を全て学校側が支給!その他かかる費用も学校側で持つ!全寮制!それらでかかる費用も学校側で待ちます!食費?異世界の物食べれるなら食べていいわよ?』 脳が、ここしかない。そう言っていた。
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