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(ネットではここの学校の入試テスト高校受験のレベルじゃ無いとか、そもそも応募する人数が凄すぎて、あの人気アイドルグループ『アキバ48人』の倍率より高いんじゃないかとか色々書かれてたところ....)
(そんな事より、ここの学校の創設者は....。)
(いや、普通に考えて、ない!親の仇である奴の作った学校に通いたいなんて言ったら兄貴になんて言われるか...。)
....。
(いやいやいや、通いたい訳じゃ無い!俺だってあのヘンテコ銀髪女を殺したい程憎いんだ!ただ、兄貴の願いを聞いてあげたいんだけど、高校に行けばお金はどうしても必要。今の生活だってギリギリだ。中卒でもなんとかすれば働き口を見つけれて今の生活からも抜け出せる。やっぱり、金なんかで俺たち兄弟のプライドなんて曲がらないよな!うん!やっぱりこの学校だけは無いわー!)
誰も曲げる事のできない、無い唯一無二の鋼のプライドを持った男。
「さぁ、帰って勉強しまくって、特待生枠をもぎ取ってやるぞー!!」
明日の未来を信じて意気込むその背中は中学生とは思えないほど逞しく、男らしい背中だった。
自宅に帰るとなぜか部屋の隅で正座をしている兄の姿。
兄の顔は暗い深刻な表情をしていた。
「ただいまぁ....兄貴?」
「お願いだ海斗ぉ~、魔導学園に行ってくれ!頼むぅ~(泣)」
兄貴の土下座を初めて見た。
いや、そもそも人の土下座を初めて見た。
「ん?兄貴?よく聞こえなかったんだけど...魔導学園がどうしたって?」
(一瞬、『魔導学園に行ってくれ』なんて聞こえたけど気のせいかな?)
「兄ちゃん、1回異世界のお嬢様を迎えに行く使者に選ばれた事があってぇ、その時に会った事を覚えててもらっててぇ...ぐすん。お願いなんでも聞いてあげるってお嬢様が言ってくださったのでぇ..『弟をそちらの学校の特待生として受け入れてください』って言ったらぁ..ぐずっ....OKでてぇ..ぐずっ...」
(ダメだこいつ....早くなんとかしないと。)
興奮しているのか、会話にならない。
「兄貴!落ち着いて、そのお姫様と一体いつどこで会ったんだよ?」
「さっき、そこのコンビニでジャンプ立ち読みしてた....ぐずっ。」
(めちゃくちゃ近所のコンビニやないかー!!!むしろ家の斜め前ぇぇ!!!)
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