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「え?待って兄貴...その異世界人ってうちの近くに住んでるの??」
「ジャンプ探して放浪してたんだって...ぐずっ」
(そこは近所じゃ無いのかよぉぉぉお!!てか、普通に人間界に溶け込んでんじゃねぇかぁぁ!!)
「あと...なんか流れで、連絡先まで交換しちゃった...」
(もっと存在を隠せよおいぃいいいいいい!!!何普通に、親の仇とメル友になろうとしてんだこのバカ兄貴はぁぁあ!!)
ぴろん♪
「あ、姫からメールだ。」
「姫って誰?」
「ああ、クロエ姫だよ。」
(既にメル友だったクソ兄貴ぃいいいいい!!親殺されてんだぞこいつらに!!!バカなの?バカだったのうちの兄貴は!?)
『裕太 メールやりにくいからLINEと言うのにしよう。それと、この世界のナウでヤングな物はなんだ?教えてくれ。あと、焼きそばパン食べたい。30分以内に買ってこい。』
(兄貴パシられとるやないかいいいいいい!!!!)
(いや...流石に兄貴も親の仇のゆう事なんて聞くはず..)
「海斗、帰り遅くなるかもだけど晩飯先食べてていいからな。」
その日、海斗は産まれて初めて兄の顔を殴った。
(もうダメだ...この家。)
家族を失い、頼れるはずの兄は馬鹿だし。
この時はまだ、異世界人と人間の間にある溝は埋まってはおらず、殺された遺族達の暴動やら何やらで日本は国内の情勢を立て直す事で手一杯になり、異世界人との会談の席は持てず、話し合いの進まないまま、時は過ぎていった。
ちなみに兄貴は、焼きそばパンを買いに行ったまま帰ってこなかった。
そして、この俺は特待生枠で魔導学園に入学。
最初の数日はクロエなんとかを魔導学園内で見かける事もなく、実はいないんじゃないかーとか思っていた。
入学式から2ヶ月後、隣の席の高柳 美智子さんが謎の転校。
そして、高柳さんがいなくなったと同時に俺のクラスにあの悪魔(クロエ)が転校してきたのだった。
「はーい、転校生ぇ、自己紹介してちょーだい。」
「クロエ・ロ・マーキューだ!これからこのクラスは!私の支配下に入ってもらう!!!!異論は認めん!!」
歓喜の声が湧いた。
「はーい、クロエは後ろの海斗くんの隣の席ねぇー。そこしか空いてないねぇ。」
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