第1章 なんやかんやの高校生活

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(高柳さぁぁああああん!?!?この数ヶ月、隣の席通しなのに会釈ぐらいしかしてこなかった三つ編みおさげの高柳さぁぁああああん!!) 入学したばかりの頃、中学の時の仲良かった友達が誰1人もこの学校に来ておらず話し相手がいなかった。 俺は、隣の席で1人本を読んで暇そうに見えた高柳さんに、少しだけでも仲良くなっとこうと、勇気を出して話しかけて見た事があった。 その時俺は『どこ中出身なの?』とそんなありきたりな質問しが思い浮かばず(流石に無視はされないだろう。)と啖呵を切って話しかけてた。 それなのに、中々返事が返って来ない。 それ以降は、朝登校して席につく時と帰る時の会釈ぐらいでしかお互い関わってこなかった隣の席の高柳さん。 (あぁ、ずっと言えなかったけど...高柳さん家のシャップー、俺ん家と一緒の奴だったよ。多分。) 短い付き合いとは言え、2ヶ月間同じ席だった思い出を噛み締める。 そんな高柳さんの謎の転校よりも重大な問題は発生していた。 「隣、いいかしら?」 銀髪のサラサラした髪を耳にかけ、優しい声でそう尋ねて来たのは俺達兄弟の敵。 ふわりと香る女の子の独特の甘い香りが鼻孔をくすぐる。 (いかんいかん。こいつは俺の憎むべき存在。甘い匂いなんかでトキメイたりするな俺!!!) 「勝手に座れよ。お前の席なんだから。」 「あらそ、じゃお言葉に甘えて勝手にするわ。」 (なんだこいつ。テレビで見た時より落ち着いた喋り方しやがって。くそっ、なんなんだよ一体...。) クロエの声を聞くと鼓動が速くなる。 顔が熱い。 胸が占めつけられる様な感覚。 テレビで見たあの全世界中継のクロエとはまるで別人の様で驚きを隠せなかった。 「そんな事よりも、海斗?さん?」 「なんだよ、同い年なんだから敬語使うのやめろよ、気持ち悪い。」 少し強く当たって見た。 「初対面なので、慣れるまではこの様にしますわ。そんな事よりも海斗さん『惚れ薬』をミスト状にして全身に振りかけて見たのですけれども....私の事好きになりましたか??」 「は?惚れ薬??」 さっきまで悶々と働いていた思考が止まった。 「ちなみにこの喋り方もあなたのお兄様から教わったもので『お上品な喋り方してたらきっと海斗もイチコロさ!』と申しておりましたけども?」 「とりあえず兄貴をイチコロしてくるから場所教えやがれ。」
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