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「鉄拳....制裁。フン!」
体勢を崩した、意識が朦朧とする中、次の攻撃体勢を取るクロエロ何とかさんの姿が見えた...。
俺は痛む腹部をこらえながら防御の構えを取る。
目にも留まらぬ速さで拳を繰り出しカウンターさえ打たせないぞと気合の入ったクロエラッシュ。
(このままでは...身がもたない。)
苦し紛れにはなった左フックはかわされ、ふところに入り込まれる。
「はーっはっはっー!甘ーい!そしてー! 昨日徹夜で見た『はじめの一歩』のぉ!必殺技ぁ!!」
(こ、こいつ!?まさか!?)
高速のシフトウェイト!?
左右に体を振りその反動で、拳を!?
「「叩きつける!」」
左右の脇腹に2発くらいダウン。
「い、いい...パンチだった...ぜ。」ガクン
床に倒れこんだ。
「はーっはっはっー!そーだとも、そーだともー!これが昨日徹夜で覚えたデンプシーロールだ馬鹿野郎!これに懲りたらもう2度と繋げて呼ぶんじゃないぞぉ!わかったかー!」
(くっそ、アニ○ックスめ...変なのを再放送しよって..。)
意識が、遠のいていく。
気がついた頃には日が暮れていた。
そして、気持ち良さそうに寝ているクロエ。
体には毛布がかけられていた。
多分クロエがかけてくれたんだろう。
小さく丸まって寝ているクロエはとても可愛らしく。
世界を征服しかけた女にはとても見えなかった。
そんな、起きてるアホ(クロエ)はお世辞でも可愛いとは言えない。
俺の家に無許可で居候してるこの悪魔女(クロエ)が、寝てる時は無防備にヨダレを垂らし、寝息を立てている。
その姿はまるで天使のようだ。
そして俺は、天使のような寝顔で寝ているクロエの顔踏みつけ出来るだけ優しい声で起こしてあげるのだった。
「起きろ、この駄犬(クロエ)。てめーのせいで無断欠席になってしまったじゃねーか。(怒)」グリグリ...
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