サンジョバンニの夕方

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夕刻。 試合が始まった。 下半身のみ古代の衣装に身をつつみ、上半身は鍛え上げた肉体をむき出しにした男たちが居並ぶ。 武者震い。 翔也の中で現役時代の研ぎ澄まされた感覚が呼び覚まされる。 襲いかかってきた男をスウェーで難なくかわし、逆にボディーに一発くらわせる。そのままコンビネーションでしとめる。まずは一人。 そのまま二人、三人、四人と倒しつつジュリオを探す。 「よお、チャンピオン。ご活躍だな」 ジュリオの方からやってきた。 自然と顔に歓喜が浮かぶ。 「元だよ。それにあんたほど活躍しちゃいない」 「元バンタム級王者を三回防衛した奴が何言ってやがる。なんだってこんなところにきやがった! フィレンツェの守護聖人なんざ祝うガラには見えねえぞ!」 「夢のためだって言ったろ! 俺は夢を叶えるため、でっかい花火を打ち上げるためだけにここに来た!」 「おもしれえ。お前さん、マジでおもしれえよ」 ジュリオは獰猛な哄笑をあげるやいなや、翔也めがけてタックルをしかける 翔也も腰を落とし迎え撃つ。 そして、交錯――。
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