君が降る街

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君が降る街

 君が降る街             the134340th(ホシ)  ここは奇跡が降る街だ。  新しい命がうまれて、錆びついた鉄くずは、捨てられる。食べた後のものや、年老いたひとは、全て燃やされて再利用される。  新しくうまれたものは、それを食べることが許されている。  くだらない。  カーテンが中途半端にあいていたから、それをきっちり閉めるために、僕は立ち上がった。そのとき外は今、雨が降っているのだと、初めて気が付いた。  もしも晴れていたら、この奇跡が降る街に、三桁満点の答案用紙を渡してあげたい。  でも、今日は雨だ。残念ながら、三桁満点の答案用紙を渡してあげることは、できない。  しとしとと、まるで嗚咽を我慢しているかのような、そんな雨の声を聴いてみる。  この雨が、夢が、奇跡が、君が、全部僕に降り積もればいいのに。  どうして、僕には何もないんだろう。夢も、奇跡も、君も。どうして、何もなくしてしまったんだろう。  悲しいんじゃない。涙を流しているわけでもない。ただ、ただ、やるせない。  どれだけ明るい歌を歌ったって、この気持ちは晴れることはない。でも、悲しい歌を歌ったって、報わるわけでもない。     
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