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居候を始めて一年と半年が過ぎた大学二年生の秋、キッチンに並んで立っている巧とふと目が合った。はっとしてお互い、あわてて目を反らせが横目にちらりと互いを見て再び、視線が絡んだ後にはもう目が離せなくなった。磁石が引かれあうように吸い寄せられ、キスをした。
体を重ねたのは冬。リビングのソファで長い長いキスを交わしながらじゃれ合い、温め合った。康宏の指先に、胸に、脇腹に、内股に灯りをともすように巧は唇を落としていった。康宏の最奥を慣らすと巧は前をくつろげ、昂った自身を取り出す。ソファに押し倒されて康宏は貫かれた。
『巧さんが好きです……』
『……おれもだよ』
康宏の体の奥の奥に自身を埋めて巧は囁いた。痛みに体が引きつったがただただ、うれしかった。
それから、たびたびセックスをした。二週間に一度、十日に一度、一週間に一度と次第次第に間隔が狭まっていき、日を追うごとに体は快楽を覚えていった。年齢によるものか性格ゆえか巧の行為に激しさはない。代わりに熾火を煽るようにじっとりと追い上げられた。日々、満ち足りていた。
しかし、その裏で巧が常に罪悪感を抱いていることにも気付いていた。誰にも話すことのできない、二十も年の離れた甥との関係を背負い、巧は苦悩していた。それでも、康宏が学生のうちはまだ巧も穏やかに笑っていた。だが、康宏が大学を卒業し、就職してからは塞いでいることが多くなった。休みも合わず、一緒にいる時間は少しずつ減っていき、求めてもやんわりと拒否されることが続いた。
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