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私が目が覚めると、そこは森の中だった。
頭が、少し痛い。
ふらふらしながら、立ち上がる。
あるのは、木と、木と、木。
そして、どこかに繋がっていそうな道。
後ろと前。
どっちに行けば良いんだろう?
迷って、悩んで、
前に、進む事に決めた。
後ろは、きっと来た道。
前は、まだ見た事の無い道。
だから、前に行ってみよう。
歩いて、歩いて、歩いて、歩いて。
永遠にも似た、刹那にも似た時間歩いて辿り着いたのは、遊園地。
光り輝く、にぎやかな遊園地。
私は一歩、そこに踏み込んだ。
「ようこそ!三十五万八千飛んで三番目のアリス!」
やけにリアルな兎の被り物をした執事さんがそう告げる。
そして大きく手を広げ、私を出迎えてくれた。
「違うよ?
私はアリスじゃなくて…えと…」
…私は、誰だっけ?
思い出せない。
私が誰かは、知っているのに。
私が誰かを、思い出せない。
「ううん!君はアリスなんだ!
さぁアリス!一緒に楽しもう!」
兎頭の執事さんは大きく手を広げ、私を歓迎した。
「さぁアリス!最初はどこに行きたい!?」
「…ここはどこ?
私、おうちに帰りたい」
「そうだね!まずはお着替えしよう!
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