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勇太は頑張ることが嫌いだった。何かしら行事があると、勇太はサボろうとした。クラスの人、先生から、
「真面目にやれ」と言われると、勇太は、
「嫌だ」と返す。放課後練習なんてもってのほか、皆が集まっているのに、勇太ただ一人だけ先に帰ってしまう。
クラスの人たちは皆、勇太のことが嫌いだ。いつも、いつも皆の邪魔をしてくるし、何よりも、何も頑張ろうとしない勇太を見ているとイライラする。一方、勇太も皆のことが大嫌いだ。下手なくせに頑張ろうとする。そんなのかっこ悪いし、結果が残らなかったら何の意味もない。それを自分にもさせようとする。自分はそんなことしたくないし、悲しい思いをしたくない。だから、頑張ることが嫌いであり、それをする皆も気に食わないのだ。
9月の下旬、来月の10月にある合唱コンクールに向けて、練習が始まった。合唱の練習は、朝早くからあり、午前の授業が終わった後、昼休みがあるが、その昼休みも削り、練習する。そして、放課後も練習がある。勇太は、その練習をいつもサボった。別に、本番だけ歌えばいいし・・・と、思っていた。
ある日の放課後、勇太が帰ろうとしたら、クラス委員長の井上が、
「いい加減、君も練習しろよ!一人歌わないだけでも、クラスがまとまらないんだぞ!」と、勇太に言った。
「は?俺は歌えんだよ!お前らは、上手に歌えないから練習してんだろ。俺をお前らと一緒にすんな!」と、勇太は言い返し、そのまま家に帰った。
それからも、勇太は練習をサボり、それを見て、クラスの皆は呆れた顔をした。特に、井上は、呆れるというより、怒りが込み上げてきた。僕らは、中学3年生。この学校は2つのクラスがある。つまり、3年生は、金賞か、銀賞を取らなければならないプレッシャーに押されている。特に、クラス委員長である井上は・・・
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