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“許可”
私は勉強も運動もそこそこ出来る平凡な中学二年生。
だけど身長が低い。
同級生達は順調に背が伸びているのに、私だけは一向に伸びる気配がない。
おかげで小学生並みの背丈だから【六年生ちゃん】と、あだなをつけられてしまっている。
あだなだけじゃない。
身長が低いせいで私はいつも一番前になってしまう。
背の順番も、教室の席もいつも一番前だ。
私は朝礼や授業中、同級生達に背中ばかりを見せていて、同級生達の背中を見たことがないのだ。
私だって背中を見せるだけじゃなく、みんなの背中を見てみたい!
「先生、私は一番後ろからの景色を見てみたいんです!だからお願いします!許可して下さい!」
「いやいや、そんなことすると、お前、笑い者になるぞ。木下だって・・・」
「笑い者になったって構いません!一番後ろからの景色を見るのが私の夢なんです!夢を叶えさせて下さい!」
「木下、お前は笑い者になってもいいのか?」
「よくはないけど、六年生ちゃんの夢を叶えさせてやりたいかなって・・・」
「そうか・・・木下がそう言うなら、一度だけ許可しよう」
「ありがとうございます!」
「バカ、土下座なんかするな!俺が強要したと思われるだろうが!」
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