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“笑い者”
クスクス、クスクス、ゲラゲラ、ゲラゲラ。
翌朝、夢を叶えた私は、思った通り、みんなの笑い者になった。
もちろん、協力してくれてる木下君も・・・。
「ごめんね木下君。あとで土下座するね」
「絶対、土下座はするな。俺に謝るより、夢が叶った瞬間をもっと楽しめよ」
「うん・・・」
木下君は中学二年生のくせに170センチ以上身長がある。
私とは真逆だ。
前にいたらみんなの視界を遮ってしまうからと、背の順番も、教室の席もいつも一番後ろ。
私が見たいと思っていた景色を、木下君はいつも見ている。
だから私は木下君に夢を叶えるための協力を頼んだのだ。
同じクラスだけど仲が良い方じゃないにもかかわらず・・・。
木下君は身長が低い私がすぐそばにいても、小さいから見えなかったと、毎日のように私をからかって来る。
その度に私はムッとして、木下君は大き過ぎて邪魔!と、応戦するのがお決まりになっていた。
そんな関係だから、私の夢を叶えるために木下君が協力してくれるとは思ってなかった。
やっぱり後で土下座しよう・・・。
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