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“夢を叶える方法”
「まるで親子ね」
笑い声とともに、私と木下君を見て誰かが言った。
朝礼のため、校庭に並ぶ生徒達の中で、私は木下君に【おんぶ】をしてもらっている。
一番後ろの景色を見るためには、この方法しかないと私は思ったのだ。
「朝礼を始めるから静かにしろ!」
先生に注意をされ、みんな笑いを堪えながら前を向いた。
「どうだ、一番後ろから見た景色は?」
「なんか、面白い。田中君、真島さんのこと見てる・・・好きなのかな?」
「俺も、お前のことよく見てるよ」
「えっ?」
いつも見上げていた木下君の顔がすぐそばにあることに気づいて、私は頬が熱くなった。
そして、いつもより高いところにいるからか、私の胸は高鳴った・・・。
(終わり)
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