同人野郎のデイドリーム編

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「どうやら貴様が問題のイラストを投稿した者のようだな?法案可決からわずか2分後の投稿…確信犯という事で間違いないな?」 先頭の隊長格が黒いゴーグル越しに俺へ声をかけた。「何の法案だ?」と問いかける前に 向こうが構えたSMG(短機関銃)が火を噴く。9ミリパラベラム弾の襲撃を間一髪で躱し、そのまま自宅の安壁をぶち破り、外に出る。家の中から銃声が響き、壁にビシビシ響くが、 安壁とはいえ、高速ライフル弾ではないSMGでは貫くのに時間がかかる。 「靴穿いてくりゃ良かったなぁ!!」 叫び、裸足で飛び出した俺は辺りを見回し、少しの間、立ち尽くす。少子高齢化に加速を 止めない過疎の影響で、夜7時以降は誰も出歩かず、街燈すら付かない静寂の町の、 あちこちで火の手と銃声が上がっている。サイレンはひっきりなしに鳴り響き、怒号と悲鳴もそれに負けないくらいときている。正直、ゾンビ映画とかパニック映画なら 「一体、何が起きてるんだ?」とか原因究明パートがあるが、そんなもんは必要ねぇ。 さっきの隊長格と俺の同人活動、昨今の時代背景を考えれば納得できる。来るべき時が来たという事だ。 「逃がすな!殺せ。」 自宅から響いた声に呼応するように角から“テクニカル(機銃付き車両)”が飛びこんでくる。車の荷台に乗っかってるのはSMGよりずっと大きい12.7ミリ機関銃。 「ご町内の皆さま~夜分にご迷惑おかけします。只今、漫画勢力の方々から以前より上がっていた懸案事項である違法投稿、保持、誘発者の一掃活動を行っております。身に覚えがない方々は厳重な戸締りと外出を控えて頂く形で!よろしくお願いしまーす。」 可愛らしい女の子ボイスの放送は機銃が地面を抉る轟音にかき消される。勿論、矛先は俺に向いている。裸足の足どころか、体に直撃すれば一瞬で、スイカが割れたみたいになるって 寸法だ。目の前の地面が弾けた瞬間、横っ飛びに転んだ俺は握りしめていた石を勢いよく放る。「グッ」という、うめき声は機銃持ちが上げた声である事を祈りたい。そのまま自宅とは反対方向に走り抜ける俺の頭上を飛んできたヘリのライトがこちらを照らし、辺りを 真昼間ばりに明るくする。
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