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「あ、もう無くなっちゃう…」
結構大きな瓶に入っていたたっぷりのホイップハニーが、
マンゲツさんの大きな体の中に収納されてしまいました。
「食べ過ぎですよ、マンゲツさん。」
「…作り置きしとこうかな。」
作り置きした分、その日に消費されている気がするのは私の気のせいでしょうか。
マンゲツさんは瓶の淵についたそれをすくってちょっと舐めると、
「よし、作っておこう。」と立ち上がって、動き出しました。
ホイップハニーは、ハチミツとセカイジュモドキの樹液で作られます。
使用するハチミツの分量は、その日集めたハチミツの四割。
残りの六割は、ミツバチさんたちへの報酬として支払われる契約になっています。
それをまずはゆっくりと練って、練って、空気を混ぜ込みます。
次に用意するのが、セカイジュモドキの樹液です。
これはこのお店の大樹から採れるのですが、匂いはメープルシロップに少し似ています。
でも、色は白くて一見、練乳のような感じのとろりとした液体です。
マンゲツさんはそれをさっきのハチミツにあわせて、少し混ぜ合わせると、
銀製の特製の鍋の中で、大樹を削って作った杓文字でゆっくり一時間ほど炊きます。
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