第二章 ボーイッシュ

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人気の占い師に美里が占って貰ったのは彼氏がいつ出来るか?と言う女子らしく現実的な内容。近々、素敵な出逢いがあります、と言われてウキウキしていた。私の占いに散々と言っていいほど不満を言っていったのも手伝って帰りは喫茶店で奢ってくれることになった。そこで先ほど出逢った昌美さんに再会した。数時間前に他の場所で初めて逢って今は喫茶店で。なんて偶然なのか、女性同士で無ければ運命の出逢いと言うべきか。しかもまたもやお互い≪客≫として。隣の席に座って、こちらに気付いたら、さっきのお礼を言おうと気合を入れて、そのタイミングを見計らっていた。美里は昌美さんに気付かず占い結果に興奮し直ぐにお手洗いへ行った。窓際で一人、チョレートケーキと紅茶を注文していて「先ほどはありがとうございました。」と声をかけた。昌美さんは気付いていたのか「趣味は楽しむのが一番!貴方は何を占って貰ったの?」と話に花を咲かせてくれた。「いえ・・・私は・・・占ってもらうつもりはなかったんですが美里・・・友達が占って貰った後に・・・」と言いかけると「貴方の人生に大きく関わる出逢いがありますよ、でしょ?」と占い師に言われた事を呟かれた。「え?なんでわかったんですか?」と想ったままを口にしてしまい「私も占いが好き・・・なのよ、ひとみちゃん」と少し悲しげに言った。何故、悲しげだったのかは、この時は分からなかった。「え?私の名前・・・?あ、並んでいる間に美里が呼んでいたから・・・」その言葉に笑顔で返してくれ「私は昌美って言うの。これでお互い様ね」とつけくわえた時、美里が戻ってきた。「あれ?隣の人、さっき並んでたよね?」と昌美さんにやっと気付いた。「友達との時間、有意義に過ごしてね。お先に」と席を立ち去っていく姿が格好良かった。
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