第四章 知的

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第四章 知的

「え?人が・・・いたんですか。気付きませんでした。」本当に気付かなかった。神社に来て暫くの時間、ずっと一人かと想っていた。「まさか貴方が結界を乗り越えて来るとは想いませんでした。どうやって乗り越えました?というのは愚問ですね。」と何かを悟ったかのように話し続ける男性。「結界・・・って私が言った独り言、聴かれていたということですか?恥ずかしい・・・」もうオカルト女としか想われてないだろうと決めつけショックを隠せず俯いた。「ふふふ。そんな風に想っていないですよ。むしろ歓迎です。それに・・・」気付けば私の頬に手を添え、髪の毛をかきあげた。驚きの行為に想わず顔をあげると間近に男性の端正な顔が。近い近い!!!!!「さっきまで真っ青だったのに今は真っ赤ですよ?また木に力を借りて少し休んでいきますか?」言われていることを直ぐに理解できずにいると頭をポンポンと撫でて「お帰りの際はお気を付けて」と社務所へ入って行ってしまった。
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