Valentine’s Day

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 狭山さんは不思議な人だ。  数少ない同中組なのに、ちっとも話しかけてこない。だけど、ふと気づくとこちらを見ている狭山さんを見る。  でも、話しかけようとすると逃げられる。  そういうのを繰り返し、美柚はなるべく知らない振りをするようにしていた。  だけど、実際は女友達が増えたらいいなぁと思うような高校生活なので、いつか話したいとは思っている。 「へぇ。変わった子がいるんだね。今まで気づかなかったよ」 「矩ちゃんもそうなんだ。狭山さんって、何か忍者みたいな人だよね」 「忍者?」 「ああ、それはそうかも」  美柚の言い様に、多香子が納得だとうんうんと頷く。
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