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「迷惑をかけたお詫びだ。いくつか、持っている情報を教えるよ。信じるか、信じないかは自由だけど。まず、グラスについてだけど、僕も彼がどこにいるのか知らない。〈スロク〉のリーダーとしている、ステンドだけは知っているようだけど。次ぎに〈スロク〉の倒し方・・・消滅させ方だけど、トコリコなら望みはあると思うよ。彼らはそれぞれの象徴を与えられた存在。だったら、別の強い象徴でトドメをさせばいい」
「別の強い象徴?」
「そう。例えば、僕の【憎悪】が消え去るほどに強力な存在なら」
珀が言わんとしていることはなんとなく分かる。だが、それは本当なのだろうか。別の強い象徴をぶつければ、消滅させることができるなど。
「それと、これは小耳に挟んだ・・・というより、〈スロク〉だから自然と分かることだけど、〈スロク〉のメンバーはよいよ、本格的に動き出しているようだ」
珀は別の世界に移動する為、姿を少しずつ消しながらトコリコ達に言う。
「実に【憎たらしい】。あいつらは、グラスの手駒でしかない。指導者(グラス)は表に出ることなく、駒だけを操る。しかも、その手駒だけで本当に世界を滅ぼせるというのだから。グラスは自分の目的を達成するつもりだ。トコリコ、お前には分かっているだろう。グラスが何をしようとしているのか」
「ああ。グラスは---全ての世界を“消滅”させること」
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