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〈スロク〉の定例会議にはまだ時間はあった。だが、今、テーブルには何名かの〈スロク〉が集まってきて、リーダーであるステンドに各々の成果を報告していた。
「えっとね。私が今日、侵食してきたのは、どっかの王国!若くて無能な皇帝を大臣が裏で操ってて、反乱軍と戦わせていたけど、みーんな、好き勝手に戦っているから【嫉妬】しちゃって、全員、私の影で侵食させて殺してきたよ」
アイ・ミラ【嫉妬】は自分の功績を先生に報告するかのように円らな瞳で無邪気に言う。最後まで抵抗していた刀使いの女がいたけれど、アイには関係なかった。全てを侵食し滅ぼしたのだから。
「『暗殺者の国』・・・」
ステンド【悪意】はテーブルに広げた紙に塗りつぶす。分かりやすく、滅ぼしたという印。
「私達は人の犯罪意思を測定する器械がある世界を滅ぼしてきた。私だけで良かったのだが、タナシンがリボル・パスの実験をしたいと協力を申し出てきたので共同で行った」
最高幹部のブログ・ウィージャン【探求】は無表情で淡々とステンドに報告する。その横では、虚ろな目をする頬にソバカスがある女性がブツブツと独り言を言いながら、自分の親指を噛んでた。肉が噛み切られ血が出るほどまで。彼女は元々、ブログが侵攻した世界の住人であったが、タナシン・ウール【恐怖】が新しい身体(うつわ)として吸収した。
「まだだ。まだ足なりい。この程度では死、の【恐怖】を服克するこtoはデなきい」
ブログから見れば、生命を幾らでも復活させることができるリボル・パスはほぼ、完成しているように思えた。だが、【恐怖】を克服したいと思っているタナシンにしてみれば、まだまだ甘く、理想とはほど遠かった。
グラスから与えられた力、『異常再生(リサイクル)』をリボル・パスで更に強化していたとはいえ、今回の世界の特有の武器である、脳細胞を粉々に砕く銃が直撃し身体が四散した。死ぬことはなかったが、久々に味わった死の【恐怖】から逃れるようにして。異常な数値をたたき出したタナシンを【恐れ】て、自分を撃ち殺そうとした女の身体を復元の材料に使わせてもらった。
「あの程度で、身体がバラバラバラバラバラバラになるよダメUではだ。もっと、もっど、性能をない上とげ」
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