0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで、ステンド。いいか?」
「どうした?ブログ」
作業を進めるステンドにブログが質問してきた。彼が顔を上げると、ブログは自分の本を開き気になる項目を彼に見せた。
「新参者の私は知らないのだが、“彼ら”は誰だ?各世界の記録を整理していたら、おかしな奴ら見つけた。どうも、私達、〈スロク〉と似ているようだが・・・」
「ああ。こいつらか・・・」
ブログは見せられた本の項目にしかめる。
「やはり、知っているのか?全員、〈スロク〉のマークを持っているから私達と関係あると思っていたのだが・・・」
「気に止める必要はない。こいつらは、ブローワーとは違って私達と敵対する気はない連中だから」
「敵対する気がない?」
「・・・いや、ある意味、ブローワーと似ているかもしれない。こいつらは、元〈スロク〉だったが、各々の“象徴”が故に〈スロク〉を抜け出した連中だ。自分達の力を理解しているから、俺達と張り合おうとはしない。むしろ、世界を滅ぼしてくれている点では限りなく私達寄りだ。だから、こいつらがいても気にすることはない」
「なるほど」
ブログは理解すると本を閉じた。〈スロク〉でありながら、〈スロク〉を離れ行動するグループ。敵対する必要がなければ、意思に留めておく必要もなかった。それよりも、今は一刻も早く理想を叶えることを最優先にすべきである。
自分達の、主でもあるグラスの目的を。
最初のコメントを投稿しよう!