一章・真夜中の自販機

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三軒茶屋の赤鬼というレアな日本酒が置いてある居酒屋。そこの常連の先輩の名は田仲実。自分は制作部だがこの営業部の先輩にはよく飲みに連れて行ってもらっていた、 「俺は首みたいなもんだ」 「どうしたんです。突然退社なんて、しかもこれが送別会なんですか?」 「詳しくは話せない。お前に迷惑がかかるかも知れないからな。ただ、一つだけ恐ろしい都市伝説を教えてやる」 「な、何ですか?突然、話し変わりますね」 先輩が辞めるのは会社の幹部と何かトラブルがあったと噂が流れていた。そんな一大事だったのか? 「パラコート毒殺事件ってのを知ってるか?」 「いえ、なんですかそれ」 先輩はその話しの途中で冷酒から熱燗を注文して、お猪口を二つ貰ってテーブルに置いた、
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