三章・呪いの期限

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僕はトイレの場所を聞いてそこに駆け込んだ。 危うく廊下で吐きそうになったが、便器に顔を突っ込むと思いっきり吐いた。 それは緑色ではなく、今朝食べたパンと牛乳と胃液だった。胃酸の味が喉を刺激して涙が溢れ出た。 なんでこんな目に合わなけれならないんだ? 「ごめんなさい。少し驚かせ過ぎましたね」 明美は今更だがそう言って謝った。 そしてトイレの汚物を覗き見て流すと、涙目の僕を見下ろしてタオルを渡した。 「とにかく、気をつけてください。今は緑色じゃないけど、時間が経ってからお腹の中で毒に変わるかも知れません。主人のメッセージはそう言う意味なんです。実際、主人が飲んだのはスポーツドリンクだった。それが突然、今朝死んだわけですからね」
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