四章・呪いの結末

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妻・明美の保険金目当ての毒殺? じゃー僕に残したあのメッセージは奥さんの演出だって言うのか? しかし、あの自販機が消えているという事は逆にそれが存在していたことを意味している。 僕はアレを飲み、先輩は緑色の液体を吐いて死んだ。吉田部長はこの件には無関係で、缶コーヒーは飲んでない。奥さんは呪いの自販機は見たが買わなかったと自ら発言している。 僕は混乱して頭が真っ白になってしまった。 いや、脳内に除草剤を散布されたように緑色に染まった。 「おまわりさん。呪いの自販機の都市伝説の話を聞いた事ありませんか?」 僕は今日二度目のその話をし始めていた。 昨夜飲みながら先輩に聞いたのと同じように出来るだけ正確に再現したつもりである。 「1958年に起きたパラコート毒殺事件で12人もの死者が出たんです。警察官なら知ってますよね?」 「ちょっと伊藤さん。何を言いだすんですか?」 電話の向こうの警察官は当然戸惑っていたが、ぼくは強引に最後で話しきった。 そしてその後こう付け加えた。 「もし貴方がこの都市伝説を聞いて、今日か明日あたりに不思議な出来事に遭遇したとします。その時、この事件の見方が変わってくるのではないでしょうか?僕が知っているのはそれだけです」
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