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「え~~っ!」
「術式がわからないのに答えだけは出せる困った人でね。彼の名誉のために言っておきますと、同期の誰も卒業してません、もちろん私もね」
ロクイーさんは悪戯っぽく笑った。
「大戦の前から、大陸のあちこちで小競り合いは起こってましてね。その頃の大学では、魔術師、魔剣士、魔法鍛冶師、鑑定師は今のような専業ではなかったのです。私たちは全ての学問を詰め込まれて戦へと投入されたんです」
僕は、何も答えられなかった。
「そんな話はどうでも良いんですけどね。さて、君の今後についてですが……」
「え?」
「大学に行くのも自由ですよ。そうでなくても、最低限の制御をちゃんと覚える必要があると思います」
「意味が良くわからないんですけど」
「君はすでに神銀位の魔剣士としての力を持っています。魔法鍛冶師としては試験の結果をみてからですがね。あの人が白金を用意しろと言うんだから、それ相応の力があるのでしょう」
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