僕が辿りついたのはお気に入りのこの店

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「僕は、何も知らないんです」 「君が何気なく腰につけているその剣ね、アートルムの『人喰い』って言う悪名高い魔剣です。鞘はあっても、つけてるだけで魔力食いますからね。対魔術師用ですが、自分も消耗しますから呪いの剣扱いです」 「いやあっ!」 思わず変な声が出てしまった。 「師匠が、魔剣は振るうと体力を使うから、力の配分を覚えなさいってこれくれたんです」 ロクイーさんは頭を抱えた。 「無茶なことをする。魔剣にそんな性質はありませんよ。それは特殊です。まさかそれで撃ち合ったりは……」 「一日一回は師匠が稽古つけてくれました。腹ごなしの軽い運動だって言って。でも師匠飽きっぽいから一刻もしないうちに止めちゃうんです」 「これを一刻も振るうと普通の人間は死にます。魔力を欲しがるあまり、魔力のより高い相手だと心臓目掛けてまっしぐらに飛び込むような剣です」 「そう言えば剣が勝手に暴れてびっくりしたことがあります。師匠は魔剣だからなって笑ってましたけど」 「……君ら二人とも馬鹿ですよ」
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