僕が辿りついたのはお気に入りのこの店

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僕のわからないところで、何だか大変なことが進んでいるようだった。 三日後、僕の目の前にロクイーさんがぴかぴかの塊を置いた。 「最近は高品質の白金もなかなか手に入りにくくなりましてね。お待たせしました。何でも構いません。君の好きな形で、出来るだけの付加価値をつけた魔道具を創製して下さい」 「はい」 ヒッヒッフー。 ヒッヒッフー。 心を落ち着かせてありったけの威厳を持って。 「大きくなあれ、大きくなあれ」 ロクイーさんがくるりと後ろを向いた。 ぴかぴかの塊が眩しい光を放っているからだろう。 ここには脚を。 見栄えが良いから羽根もつけよう。 うん、ついでだからああしてこうして。 光が収まった頃、ようやく形が現れた。 「……一応、これが何かを説明して貰いましょうか」 ロクイーさんは困惑している。 僕も、一言で言える自信がない。
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