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「天馬の剣です」
「そうですか……」
「軽くて強くしてあります。汚れたら尻尾を引っ張ると水が出て洗えて、洗った後は耳を押したら風がピューッと出て乾かせます。こうやって……」
「ごめん、せっかくだけどちょっと勢いが強すぎるな」
ロクイーさんは全身びしょびしょのボサボサになってしまった。
「ああっ、ごめんなさい」
「君が無駄なほどの魔力を持っていることは良くわかった。三つ以上の付加価値を、しかも違う属性の力を付けられる鍛冶師なんてどれだけいるか。何と言うか、もう少し加減を覚える必要はあるけれど」
ロクイーさんは手巾で顔を拭った。
「おー、やってるな」
乱暴に扉を開けて、師匠が店に入って来た。
「あ、師匠!これ見て下さい!僕、創製出来たんですよ!」
「河馬?」
「天馬ですよう」
「お前絵心がないんだよな」
「師匠がちゃんと教えてくれないんですもん」
「ロクイー、これどう思う?」
「何でちゃんと順序を守って教えないんですか。いや、彼の持っている力は素晴らしいですよ。でも無茶苦茶だ」
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