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「不満そうな面だな。役立たずで穀潰しのお前が俺に逆らえるのか?」
師匠の傷だらけのむさ苦しい顔が迫ってきて怖い。
「でも嫌です」
「俺の名前が『ポポ』なのに、お前の名前がそれより恰好良いのは許さん。それじゃウォラーレにしよう」
「は?」
「大昔の大英雄の名だよ。名前負けしたらとっても恥ずかしいからな。決めた」
極端から極端に走る、性格の悪い師匠のおかげで、僕はウォラーレと名乗ることになった。
当然ながら、行く先々で失笑の嵐に遭った。
「師匠!こんな名前をつけたからには、僕にスッゴい技を教えて下さい!僕、まだ師匠のごはんの支度と洗濯しかさせて貰ってません。あと、水が湯になるまでに全力で走って酒買ってこいなんて無茶振りばかりで」
「学校にでも行ってみろ。五年は基礎なんたら言う頭の痛くなる本しか読ませて貰えないんだぞ。お前は文句が多すぎる。日常生活の中での鍛錬と呼吸法が大事なんだ。吸って吸って吐く。黙って常に実践せよ」
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