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「わー、やめてやめてーっ」
と叫ばれ、手をつかまれる。
男の手だ。
余計、叫びそうになってしまう。
さっき、大崎に背中に指を突っ込まれて、ぞくりとしたのも、その指の感じから、男であることを察知したからだったのだろう。
「あまりっ。
どうしたっ」
と海里の声がする。
あまりが振り返ると、海里がすごい形相でこちらに駆けてくるところだった。
「うわーっ。
待って、違う違うっ」
殴られそうな気配に男は叫ぶ。
さっと胸許に手をやった男に、殺られるっ! と思ってしまったが、男の方が、
「ああっ。
ないっ!」
と悲鳴をあげていた。
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