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「け、警察の方だったんですか」
あまりは苦笑いして、今、防犯ブザーを鳴らそうとした事実を誤摩化そうとした。
「いや待て、あまり」
と警戒を解こうとするあまりの肩をつかみ、海里が言ってくる。
「わからんぞ。
本人がそう名乗っているだけじゃないか。
何処にそんな証拠がある」
と言うと男は、いやいやいや、と言い、
「今、警察手帳をと思ったんですけど、勤務中じゃないので、持ってなかったんですよ」
と言う。
「じゃあ、却下だ。
警察手帳を持って出直してこい」
と逆さに持ったワインの瓶を男の鼻先に突きつけ、海里は言う。
どっちが警察だ、という融通のきかなさだ。
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