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「あ、僕は、ハットリ ケイジと言います」
と男は名乗った。
「……下の名前は?」
と海里は問う。
「だから、啓司ですよっ」
服部刑事は、刑事になってから、何度も語ったのだろう話を始める。
「でも、実は、この名前だから刑事になったんです。
幼稚園のときから、ごっこ遊びのとき、大抵刑事役をやらされて。
ケイドロでも、永遠に警察側です」
それでなんとなく、と服部は言う。
「流されやすい奴だな。
世の中に何人、ケイジって名前の奴が居ると思ってるんだ。
そいつら全員、刑事になったのか。
じゃあ、服部犯人とか服部服役囚とかいう名前だったら、犯罪者になってたのか?」
服部半蔵とか、という海里に、
「……いや、服部半蔵はいいんじゃないですか?」
とあまりは言った。
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