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「よぉーし!!先ずは、『陰の努力大作戦』だっ!!」
コーギーのサオラは、トレーニングセンターの施設の片隅に転がっていたバランスボールに飛び乗った。
ひっしっ!!
「よしっ!これを使って基本的体力を鍛え・・・」
ころころころころころころころ・・・
「やばっ?!」
サオラは青ざめた。
バランスボールの大きさが、コーギーのサオラより大きすぎて、完全に玉乗り状態になって転がってしまったのだ。
ころころころころころころころ・・・
「わ~~~~~~!!どいてどいてどいてどいてどいてどいて!!」
・・・こ、これでは、『陰の努力大作戦』ではなく、『完全な大迷惑作戦』だぁ・・・!!
どてっ!!
サオラは乗っていたバランスボールからずり落ちて、尻もちをついた。
「あうちっ!!自慢の尻が・・・いててて・・・!!」
ぼいん!ぼいん!ぼいん!ぼいん!ぼいん!
がつん!
「きゃいん?!」
バランスボールはそのままバウンドすると、そこに居たレトリバーのロイドに直撃した。
「うううううう・・・」
激怒したロイドは、尻をさするサオラに向かって唸り声をあげた。
「ろ、ロイド!!ご、ごめんなさい!!」
「ばうっ!!ばうっ!!この補欠野郎!!迷惑なんだよ!!向こうへ行きややがれぇぇ!!」
レトリバーのロイドに吠えかかられたコーギーのサオラは、無い尻尾を丸めてそそくさと施設の影に隠れてしまった。
・・・駄目だ・・・僕は、やっぱ駄目なんだ・・・
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