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この人が父上、国王アレクサス・モント・ダーラム三世。
ノアはローランディアの父上が教えてくれたとおリ、深く頭を下げた。
「ノアです。父上」
王は持っていた杖で床をダン!と突き、ノアは飛び上がった。
「異国の作法を使うな!礼儀知らずめ!」
忌々し気に吐き捨てる。
「魔なしの国で育った魔なしの王子か。
これを後援すると?ポルターク伯」
「は。
魔力なしと診断されたのは、ごく幼い時。
思春期に突然発動出来た例もございますれば。
以前は黒い眼だったと記録してありますが、この目をご覧下さいませ」
「ふん、良かろう。
学園に送ることを許可する」
「ありがたき幸せにございます」
伯爵はノアに目配せして、右手を左胸にあて、左手を拡げて優雅に頭を下げた。
あわてて、ぎこちなく真似をする、ノア。
顔を上げた時、国王はすでに歩き出していた。
「三か月、猶予をやろう。魔力が発動すれば、良し。魔なしの息子には興味を持てぬ」
冷たい言葉を、言い放って。
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