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プロローグ
プロローグ
三万八千年の生涯で、これほどのドジを踏んだのは初めてだった。
足元にいきなり現れた、青白く光る魔法陣。
「お前の最大の欠点だ」と言われて来た、『強すぎる好奇心』というやつに負けて、一瞬、逃れるのが遅れたのだ。
まさか、この俺様が、という慢心もあったが。
転移と拘束の魔法が発動する。
転送された対の魔法陣は、大きな広間の中央に描かれていた。
実体化した思念の鎖で拘束された俺は、ぎりぎりと締め上げられながら、周囲を見回す。
取り囲むのは結界の檻。
維持しているのは、円形に取り囲む五十頭あまりの人族の雄。
胡座に印字を組み、一心不乱に読経を続けている。
焚き込められた臭い香の匂い。耳障りな詠唱。
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