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ひと月たった。
母の乳もうまいが、従者の人族が皿で出してくれる食べ物も素敵だ。
べちゃべちゃで食べにくいことを除けば。
母の乳首は俺の口にあった大きさで、含めば舌がくるりと巻いて、しごくだけで乳があふれて来るんだが。
平たいものに入った食べ物は舌で舐めると端に寄っちまう。吸い込もうとすれば鼻に入る。
はやくすきっ腹に収めたいのに、慌てると足を突っ込んで皿をひっくり返したり、中に座り込んでしまう羽目になる。
もう、イライラが募るばかり。
しかし、何か物足りない。
何か。
なんだっけ。
何かとても大切なもの。
腹がくちくなったので、違ったものを試してみるか。
寝床の布。うん、噛みごこちは悪くない。
木の板。ちょっと固いが噛みでがあるな。
これは。
うん、歯ごたえと言い、固さと匂いと言い、いいじゃん、これ。
おまけに動くし、面白いぞ。
求めるものとは違った気がするけど、まあいい、これで我慢するか。
と、一心に噛んでいたら、いきなり首筋を掴まれた。
「おらの靴を噛むんじゃねぇ!」
あ、中身が入ってた?
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