#2:お嬢様の悪い癖でございます *執事さん*

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叫びたいほど心の中は執事さんで乱されてるのに、痺れた体では上手に言葉は紡げなくって。 そんなわたしを1人にするように、執事さんがわたしの手を離し、立ち上がった。 2人の距離が開くと同時に、なんだか急に涼しくなる。 さっき執事さんが語った『残念』っていう言葉が、脳裏に浮かぶ。 「次はありませんよ」 「えっ?」 「次。お嬢様の悪い癖が出たら、確認は致しません」 「そ、それは……」 悪いクセをしたくなるから逆効果よ! 咄嗟に抱いた感情が言葉になってもれそうで、あわてて右手を口にあてる。 その手を、さっきまで執事さんが握ってたことに気づいて……。 口から手が離せなくなった。
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