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ちょっとキツめの言いつつも、毛先に触れるブラシが優しい。
丁寧に整えられた髪が、執事くんの手の中へ集められてくのがわかった。
あらわになった、うなじが無防備で寒いような……、執事くんの視線を感じて熱いような、不思議な感覚が全身を支配する。
「失礼します」
言いながら、執事くんが後れ毛をすくう。
あたたかい指先が、うなじを軽くなであげて、思わず体がビクンとゆれた。
「恥ずかしながら自分は不器用なうえに、女性の髪に触れることに慣れていないので。痛かったら、遠慮なく教えてくださいね」
耳元で、コッソリとささやかれる。
熱い吐息が耳たぶにかかって、この艶っぽいシチュエーションに一気に鼓動が早くなった。
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