#2:お嬢さまの悪いクセですよ *執事くん*

9/10

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
毛先が絡まってボサボサだった髪が、編みこみのアップスタイルに変わってる。 たった数分で綺麗に整えられて、わたしは驚きながら執事くんへと振り返った。 うつむきながら頭をかいてる。 柔らかそうな茶色の髪が、おもしろいぐらい乱れてく。 ちょ……、ちょっと、なによ! わたしのこと、あれこれ注意しときながら、執事くんだって頭をかくのがクセじゃない? それに気づくと、カチカチに硬くなった体から力が抜けた。 「執事くん。また、お願いね」 「えっ?」 ボサボサ頭で執事くんが答える。 わたしより6歳も年上のはずなのに、なんだか可愛く見えるから不思議。 思わずクスリと笑っちゃう。     
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加