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「お嬢様。テスト勉強、お疲れ様でございます。エビとマッシュルームのビスクをお持ちしました。お嬢様のお好きなスコーンもございますので、休憩に致しましょう」
「あ…、ありがとう」
気遣うように話す執事さんに、ビクビクしながらお礼を言う。
この1時間、『あぁ~』とか『うぅ……』ってうなってただけで、勉強なんか進んでないよ。
なんだか申し訳なくなってきて、わたしは顔を隠すようにして頭をかいた。
「それは、お嬢様の悪い癖でございます」
執事さんがピシャリと言う。
鋭い口調に驚きながら頭から右手をおろすと、すぐ目の前に執事さんが立っていた。
「ちょっ……!」
いつの間に、こんな近くに寄ってるのよ!?
戸惑いながら、執事さんと離れようとする。
その瞬間。
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